2016年05月15日

「鶴亭」5月29日まで

神戸市立博物館で開催中の「我が名は鶴亭」に行ってまいりました。
5月3日より後期展が始まっています。

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若冲や大雅も憧れたという鶴亭、その鶴亭が学んだ黄檗絵画や南蘋風花鳥画、
そして名にちなんだ鶴の作品や細密花鳥画、さらに同時代の若冲、蕭白の作品も観ることもできます。

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鶴亭といえば、まず鮮やかな着色作品が紹介されていますが、実は全作品のうち7割が水墨だそうで、水墨画、特に四君子がたくさん展示されており、こちらも大注目です。

鶴亭と若冲の「風竹図」が並んで展示され、見比べることができたり、花鳥画を多く手がけたとあって、作品中に描かれている花や鳥の解説をしたパネルなどもあり、わかりやすく楽しめる展覧会でした。

若冲は京博所蔵の「群鶏図障壁画」、蕭白は香雪美術館所蔵の「鷹図」、
他、池野大雅の書や木村蒹葭堂の書画も展示されています。

今月5月29日までです。


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2016年04月27日

古今水墨

新年になって、そして春になって、麻水水墨画教室へは
10代から30代の若い世代の方が何名か入会してくださいました。

私が、師である国際墨画会の会長、香取琴水先生に学んでいた当時は
水墨画界では高齢化が進み、平均年齢もかなり高く、60代ならば、まだまだ「若手」と言われる、というお話をお聞きしていました。

ところで水墨画に対するイメージ、といえば、どんなものでしょう?

よく見聞きするものは「ご高齢の方の趣味」「地味」、「枯れた」、イメージとか、
雨が降ったり、霧が出たりして風景が滲んだり霞んだりすると
SNSなどで「水墨画っぽい」とコメントがついた写真をお見かけします。

もちろん、そういう側面もありますが、水墨画の歴史を紐解けば
古典の中にはそんな固定観念を破る名作がたくさんあります。
筆頭に挙げられるのは、やはり皆さんの大好きな伊藤若冲でしょう。
若冲の描いた鶏の水墨は、アクティブでモダンで、「枯れた」「地味な」イメージとは正反対の印象を受けます。

水墨画には「潑墨法(はつぼくほう)」という技法があります。
潑というのは、”水がこぼれ散る”、”水を撒き散らす”という意味で
水分たっぷり、墨たっぷりで、にじませたり撒き散らしたりしながら描く抽象的な表現です。

専門家の文献に、中国の唐代の有名な潑墨画家は、画を描く前にまずお酒を飲み、酔っ払ってから、音楽や歌に合わせて描いたり、墨を撒き散らし手や足で塗りたくったりもした、と書かれてたのを見たことがあります。
まさに前衛芸術、アクションペインティングのハシリ。
欧米で、抽象表現主義の代表画家はジャクソンポロックですが、彼らが活躍したのは20世紀初頭です。
それよりはるか1000年以上も前に、中国ではライブ感に満ちたアクティブな水墨画というジャンルが存在していたわけです。

また、昨今では、漫画と水墨画の共通点も再確認されてきました。
漫画「バガボンド」の作者、井上雄彦氏が描いた親鸞の屏風絵は
毎年秋に東本願寺の別庭、渉成園で公開され人気を博しています。


現在、麻水水墨画教室で一番の若手は19歳!
学業の上に、さらに水墨画を学ばれるという向上心には感服いたします。

さて、20歳以上の大人の方、今年はせっかくの若冲生誕300年記念なので
今年発売されたばかりの、若冲ラベルのお酒でも嗜みながら1枚描いてみる、というのは如何でしょう。
味わい深い、面白い線が描けるかもしれません。(⌒-⌒)

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2016年03月23日

「鶴亭」


『我が名は KAKUTEI 』ー若冲、大雅も憧れた花鳥画!?


「鶴亭」=海眼淨光(1722〜85)

江戸時代中期の黄檗僧で、清の画家、沈南蘋(しんなんぴん)に師事した唯一の日本人であり、若冲や大雅にも影響を与えたと考えられていて、生前は円山応挙にも負けぬ人気だったという。
しかしながら、今ではほとんど一般に知られていない存在となった、鶴亭の生涯と画業に光を当てた初めての展覧会。

なるほど、水墨画「風竹図」においても、若冲と鶴亭の画風を見比べると、類似性が見て取れます。
まず「竹」から練習を始めた我々にとっては、観察のしどころがありますね。
(「風竹図」は 通期(4/9〜5/29))
若冲は、黄檗宗萬福寺の伯c照浩に僧侶の号を授かっています。
萬福寺つながりで接点があったとしても、何ら不思議はないでしょう。

<神戸市立博物館>

2016年4月9日(土)〜5月29日(日)

※前期[4月9日(土)〜5月1日(日)]・後期[5月3日(火・祝日)〜29日(日)]


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伊藤若冲関連展覧会

・東京都美術館「生誕300年記念 若冲展」2016年4月22日(金) 〜 5月24日(火)
・細見美術館「伊藤若冲展」2016年6月25日(土) - 9月4日(日)
・相国寺承天閣美術館「若冲展」2016年7月1日(金)から
・京都国立博物館「生誕300年伊藤若冲」2016年12月13日(火)- 1月15日(日)

タグ:展覧会
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2016年02月20日

京都の学生さんたちの初水墨画

先日、京都の大学生さんたちで、海外の方々と交流をしていらっしゃるサークルのメンバーから、ワークショップの依頼を受けました。

昨年の10月には静岡県のデザイン学校の生徒さんが、京都研修の折に水墨画体験をしてくださいましたが、今回は京都の大学生ということで、私自身も大変嬉しい機会となりました。

サークルの皆さんは、普段から来日される海外の方に京都の観光地や文化を案内していらっしゃるので、水墨画に関しても興味を持っていただけたようです。

水墨画は初体験の方ばかりだったので、画題は基本の「晴竹」です。
京都亀岡市出身で、京都画壇に大きな影響を及ぼした円山応挙が考案したとされる『付け立て法」による竹を学ぶことは、京都の学生さんにとっては大変意義のある機会だったのではないかと思います。

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この日は、ちょうど、サークルのゲストとして来日されていたベルギーからのお客様も参加してくださいました。
彼女は自国で水墨画を学んでいらっしゃるそうで、竹は何度も描かれていますが、それでも、新しい発見があったと喜んでくださいました。

当日の午前中は、竹のワークショップに備えて嵐山に竹林を見に行かれ、そしてワークショップに参加し、その後すぐ承天閣美術館に行き、後日、福井まで越前和紙を見学に行くという、とても熱意のある方でした。
私が今までお会いした欧州の方々は、熱烈なsumi-e loversの方ばかり。その探究心には頭が下がります。

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大学生の皆さんも、楽しんでくださったようで、皆の顔が輝いていました。
ご参加ありがとうございました。

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2016年02月06日

今日から上映「人の望みの喜びよ」

以前ご案内申し上げた、映画「人の望みの喜びよ」が本日2月6日から京都みなみ会館で公開になりました。
杉田真一監督が助監督時代の「座頭市 THE LAST」という作品に
香取琴水先生と石坂美穂先生が劇中に使われた水墨画の作画を担当されたり
香取先生が、画家の設定の登場人物に水墨画の指導をされたり、と
国際墨画会とはご縁のある監督さんです。

この作品は、子どもたちが審査員を務める第64回ベルリ-ン国際映画祭ジェネレーション部門で、最高賞に次ぐ評価を受けたそうです。
日本では昨年3月28日東京新宿からスタートし、西へ西へ、、、そして、やっと京都に。
京都の後は神戸、そしてアメリカでも上映が決まっているそうです。

予告編はコチラから

上映期間 2/6(土)〜2/19(金)まで。お時間のある方は是非に。


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2016年02月02日

若冲ゆかりの宝蔵寺

「宝蔵寺」・・・伊藤若冲のご親族の菩提寺です。

ここには、若冲が建立したとみられる伊藤家のお墓があります。
現在は無縁墓となっており、長年風雨にさらされ倒壊の危険があったのを
保存修理を行い、一般の方もお参りできるように整備されました。

今年は若冲生誕300年記念の節目でありますが、2月8日の若冲の誕生日に合わせて「生誕会」と「寺宝会」が開催され、若冲の作品をはじめ、若冲の弟や弟子など若冲派の作品を含む15点が公開されるそうです。

会期が2月5日から8日までと短いですが、お時間のある方は宝蔵寺を訪ねてみてはいかがでしょうか。

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2016年01月26日

「打陀公軌」と「風神雷神図屏風」

昨年、2015年は「琳派誕生400年」ということで、京都では琳派関係の展覧会やイベントがたくさん開催されました。
その中でも京博での「琳派京を彩る」展では、風神雷神図屏風を描いた、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の三者の作品がそろって観覧できるのが、展覧会の目玉でした。ご覧になった方も多いでしょう。

その風神雷神図を俵屋宗達に依頼した人物が存在します。

「打陀公軌」ウツダキンノリ

先日、読売新聞の「謎解き人物伝」というコラムに、打陀公軌と風神雷神図について記事が掲載されていると、教室のGさんがコピーを持ってきてくださいました。

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昨年11月、我々はGさんのご紹介で、この打陀公軌像を修復される「漆芸舎平安堂」で、修復前のお像を拝見させていただくことができました。

打陀公軌」は当時の有名な織物商(そして歌人でもあったそう)で、荒廃した妙光寺の再建に協力し、その時の再興祝いに「風神雷神図屏風」を寄贈したそうです。その後、管理が難しくなって建仁寺の所蔵となりました。
「俵屋宗達」の名前を知らなくても風神・雷神は知っている人は多いかもしれません。
新聞の記事で思い出したのですが、風神様が某風邪薬のCMキャラクラーにもなっていましたよね。
そういえば私は俵屋宗達など全く知らなかった頃から、もっぱらこの風邪薬を贔屓にしてました。

〖「風神雷神」は仏教説話に登場するキャラクターで、日本でも仏画に現れ彫刻にもなってきました。
しかし、宗達の風神雷神図は、仏を守護したり雷を落としたりの来歴が抜け落ちているので、キャラクターの面白さに人々の目が向きます。
躍動的なポーズや色彩のセンスなど、現代の我々が見てもマンガのキャラクターみたいな特徴的な存在です。〗
(読売新聞より一部抜粋)

俵屋宗達については、生没年などわからないことが多いそうですが、「雷神」は宗達の自画像でもあろうか?」と想像されている美術史の先生もいらっしゃるそうです。

自分の顔に似せて描こうとしなくても、人物や動物などの「顔」は描いた人に似てしまう傾向があるので、案外そうなのかもしれませんね。

さて、「打陀公軌」の像は、「漆芸舎平安堂」さんで修復を終えたら重要文化財に指定されるそうです。
再びお目にかかれる日が楽しみです。






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2015年11月15日

「風神雷神図屏風」を俵屋宗達に依頼した人物

「打陀公範」(ウツダキンノリ)

当時の京都の豪商で、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」の依頼主です。
大変な財力があり、スポンサーでもあったそうで、「琳派誕生」に大きな影響を与えた人物とされています。

先日の大徳寺拝観の後、この「打陀公範」像の修復をしていらっしゃる「漆芸舎平安堂」さんを訪ねました。

もともと、「風神雷神図屏風」は妙光寺にあったものが、現在は建仁寺所蔵になっているのですが、「打陀公範」像は、現在、350年余りの時を超えて、「漆芸舎平安堂」さんが「漆塗り古色剥落留修復」を施すこととなり、妙光寺さんからお預かりしているそうです。
(今ならまだ大丈夫ですと、撮影とUPの許可を頂きました)

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漆器は英語で「Japan」と呼ばれます。
世界が目標とする「塗り」の最高峰の到達点は『漆塗り』のクオリティ。
しかし、その技術も後継者不足から、いつかは途絶えてしまう日が来てしまいます。
そんな状況に「日本人はなんてもったいないことをしているんだ」と仰る海外からのお声も多いとか。

この日は、お忙しい中、いろいろなお話を聞かせてくださいました。感謝いたします。
「漆芸舎平安堂」さんではFBページで、今後修復の過程を少しずつアップされていくそうなのでチェックしてみてください。


大徳寺は、、、、紅葉がチラホラでしたが
雨で濡れた石畳と落ち葉が、いい雰囲気でした。


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2015年11月10日

sumi-e in KYOTO

麻水メインサイトの「sumi-e in KYOTO」という
京都の、水墨画に関係する場所をまとめたページがあり
最近は更新が滞っていたのですが、先日訪れた妙心寺退蔵院を追加しました。

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まだまだ少ないですが、京都の文化財を拝観する際の参考になればと思います。

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2015年10月31日

「琳派京を彩る」展に行ってまいりました

京都国立博物館で開催中の「琳派京を彩る」展に行ってまいりました。
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ここまで大きな琳派の展覧会が京都で開催されるのは初めてだということと
開催前から琳派のプロモーションやイベントがたくさんあったので
期待感は否応無しに高まっていました。

わたくしは、どうせなら風神雷神図屏風の三作品が揃う期間に行きたいと
twitterでの混雑状況や行かれた方の情報を参考にし
拝観時間が延長になる金曜日の夕方を、決戦の日とすることに致しました。

この日の混雑状況情報では午前中は入場に90分、80分待ち。
どの日も午前中は待ち時間は長い傾向にあるようです。
(係員さんの話では、朝、3時間待ちという日もあったそうです)
日も暮れかけた午後5時半頃に京博に着くと、待ち時間の案内は20分でしたが
列に並ぶと、5分ほどで入場する事が出来ました。

会場は平成知新館の3階から1階まで、仏像スペースを除いた全ての部屋で
展示がなされており、よくぞここまで集まったな、と言う感じです。

さて、すんなり入場はできたものの、展示室に入ると、やはり作品の全体像を見ることは叶わない混雑ぶりで、こればかりはもう仕方がありません。
しかし、鳥獣戯画展の時のように「立ち止まらないで下さい」という強制もなかったので、他の方にご迷惑のかからない形で、納得いくまで観覧できました。

そうこうしているうちに、あっという間に2時間経過です。
閉館まで残すところ30分となったところで、最初の方に展示されていた本阿弥光悦と俵屋宗達のコラボによる「鶴図下絵和歌巻」(鶴下絵三十六歌仙和歌巻)まで戻ると、ほとんど人が居なくて思う存分楽しむ事ができました。

残り5分で、風神雷神図屏風の部屋まで行くと、ここはまだ、人だかりの上に風神雷神の首しか見えていない状況は変わっていませんでした。
みなさん、最後の最後までこの部屋を楽しもうとされていたようです。

ところで、わたくしめの感想は、、、たくさんお伝えしたい事もあるのですが
まだご覧になっていない方の先入観になってはつまらないので
ぜひ、ご自分の感性、思考でもって堪能していただきたいと思います。

ひとつ言いたいのは、尾形光琳の「紅白梅図屏風」も展示して欲しかったな、ということ。
しかし、それはあなた贅沢言い過ぎ、と叱られるでしょうね。

あ、閉館間際になるとミュージアムグッズのレジの行列が大変なことになっておりました。お気をつけ下さい。


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10月31日現在、入場者数が10万人を超えたそうです。







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