教室への入会希望は、随時お問い合わせください。

2017年03月16日

水墨画で野菜を描く2

今月は千代田教室の最後の授業でした。

「野菜」の後半、蓮根・唐辛子・蕪・ラディッシュ・大根・麦、と
先月と今月で11種類もの野菜の描き方を学びました。

野菜を主題に絵を描こうとするとき、たくさんの表現方法がありますが
水墨画ほど、単純、明快にして、その本質を捉えようとする表現方法は他に見当たりません。

簡単な一筆の運筆で唐辛子になったり、胡瓜になったり、
筆にグラデーションを仕込むだけで、かぼちゃや蓮根の立体感が表現できたり、

穂に濃中淡のグラデーションを作り、筆を倒して左半分をクルンと、
そして穂の向きを変え、右半分をクルンと。
椎茸の傘はたったそれだけなのに、いしづきを描き加えるとまさに椎茸に見えたりします。

野菜はあっという間に描けるので、練習も楽しく果取るのではないでしょうか。


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さて、、、、
千代田教室を担当させていただいた6年間もあっという間でした。
お仕事が終わってから、という平日のお忙しい時間に毎月通ってくださった皆様、誠に有難うございました。

千代田教室は、今春日本橋に開講する渡邉由杉先生の認定教室に合流するかたちとなります。
渡邉由杉先生は、千代田教室に長年通い講師資格を取得された方で
神奈川県川崎市でも認定教室を主宰されており、また、ワークショップも開催されたり、と
とても熱心に活動されている先生です。どうぞよろしくお願いいたします。

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千代田教室の皆様、ではまたいつかお会いできることを楽しみにしています。

日本橋のビルの谷間にある福徳神社では、冷たい雨の中で白梅が満開でした。

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2017年02月16日

水墨画で野菜を描く

2月15日の東京千代田教室は「野菜」、
テキストの10項目の野菜のうち、胡瓜・茄子・南瓜・玉蜀黍・椎茸
と5種類の野菜の描き方をご紹介しました。

特に、胡瓜・茄子・椎茸はシンプルなモチーフなので、筆を立てて描く「直筆」、筆を寝かせて描く「側筆」という一番基本の運筆を練習しながら描きあげることができます。

また、南瓜・玉蜀黍は、存在感のある野菜なので、それ一つでも、または他の野菜と組み合わせても、素敵な作品になるので、ぜひ覚えていただきたいと思います。

様々な野菜を一つの絵の中に、、、

水墨画愛好家の皆さんなら一番に思い出すのは、やはり伊藤若冲の『果蔬涅槃図』でしょうか。
昨年4月に東京都美術館で開催された生誕300年の展覧会でも出品されていたので、ご覧になった方も多いでしょう。
かなり作品に接近して観ることができたので貴重な機会でした。

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『果蔬涅槃図』の野菜には、椎茸や茄子、南瓜、、などなど、88種類もの野菜や果物が描かれているそうです。
ひととおり描いてみるのも楽しそうですね。



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2017年01月19日

「枇杷」を水墨画で

1月18日の東京千代田教室は「枇杷」でした。

枇杷は中国原産で日本には古代に持ち込まれ、欧州や南米へは日本から伝わったそうですが、栽培していない地域もあるようなので、枇杷は『東洋』のイメージが強い果実かもしれません。

また果実、葉と共に身体に良い成分が多く含まれているため、「大薬王樹」とも呼ばれているそうです。
病の苦しみから人を救ってくれる枇杷は、ありがたい天からの授かり物です。
昔から、自分のために、また大切な誰かのために、祈りを込めて描かれてきたのでしょう。

さて、枇杷の実は、教科書では3タイプの描き方が紹介されています。

没骨法で描く場合は、椎茸の描き方を思い出してください。
水分は少し多めに、紙にぎゅっと筆を押し付けて描くのではなく
水によって紙の上を滑らせるようなイメージで描くと良いと思います。

葉は栗の葉の描き方と同じですが、栗は葉の周囲のトゲトゲを表現するために、葉脈を葉からやや飛び出させて描きました。
枇杷は葉脈を飛び出さずに描きます。

栗も枇杷も葉がたくさん付いています。
長細い葉で方向性がつきやすいので、同じ方向ばかりにならないように、折れ曲がった葉や裏返った葉や虫喰の葉なども織り交ぜ、変化をつけて描いてみましょう。

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<追伸>

東京の千代田教室は、2011年4月から講師を担当させていただきましたが
この2017年3月をもちまして、講師のバトンを手渡すことに相成りました。
永きにわたり千代田教室を担当させていただき、誠に有難うございました。
4月以降の教室は、東京において日本文化発信に注力されている「日本橋」に移転予定です。
詳細は、また追って報告したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。




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2016年12月24日

いが栗を水墨画で

12月21日の東京千代田教室は「栗」でした。

三墨法で簡単に描ける栗の実ですが、イガや葉はよく特徴を捉える必要があります。

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栗の季節には必ずスーパーで見かけますが、木になっている栗を見る機会は少ないかもしれません。
実際は、実はほぼ3粒ずつイガの中にあります。

葉は、よく観察すると、葉の周囲にトゲトゲがあり、このトゲを表現するには葉脈を少し飛び出させて描きます。
たくさん葉を描く時は、長細い葉の方向性に気をつけ、虫食いのや真横から見たのや、それぞれ変化をつけると良いです。

イガのトゲは鋭くかたいので、濃墨でにじまないように。
質感を線のシャープさや墨の濃度で表現します。



牧谿や若冲の過疎涅槃図の栗は、破筆法的な表現が見受けられます。
そんな表現も面白いですね。


千代田教室は、2016年最後の授業でした。
仕事終わりの19時からの授業ですが、お忙しい合間を縫ってのご参加お疲れ様でした。

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2016年11月18日

葡萄の描き方ーその2

11月16日の東京千代田教室は、葡萄のパート2でした。
テキストでは葡萄の描き方を、葉・実それぞれ2通り紹介しています。

幾筆かで描く葉と、線で描く実の組み合わせによる葡萄図は
筆勢を活かした、強くラフなイメージにしたい時に適しています。
気分も乗ります。

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今の時期はすでに、展覧会の作品に取り組んんでいる方もいらっしゃると思うので、
半切のような長細い紙に描く際の構図の取り方も紹介しました。

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朝顔などの蔓のある植物を描く場合にも応用できます。

面白い蔓の巻き方、絵の中の動きを研究してみましょう。

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2016年10月20日

葡萄を没骨法で描く

10月19日の東京千代田教室は「葡萄」でした。
今月からテキストでは「果物」に入りました。

テキストでは、葡萄の身、葉ともに2種類ずつの描き方が掲載されていますが
今月は、没骨法の実と5筆で葉を描く方法を学びました。

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実を描くときに最大限に効果を発揮するのが「筋目画き」です。
「筋目画き」の出やすい画仙紙の種類を選びましょう。

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葉は、品種によって形状が異なりますが、5筆で描く葉は、先端の筆の立て方がポイントになります。
この描き方の場合、裏葉を描くのが大変難しいですが
葉が裏返っている様子をスケッチするなどして、練習してみてください。

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墨色を薄めに、少し縦楕円っぽく描くと、マスカットのように見えますね。
山葡萄は、身が小さめでまばらに付いていたりします。

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テキストにある香取先生の作品のように、葉を「たらし込み」で表現するのも素敵です。


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posted by MASUI at 13:53| Comment(0) | 東京千代田教室

2016年09月25日

抽象化した薔薇

9月20日の東京千代田教室は「いろいろな花を描く」の最終、
抽象的な表現の薔薇の花でした。

例えば、水墨画は、対象物の特徴を抽出し簡略化することで
そのものの本質を描き出そうと試みます。

この薔薇の花びらは、これだけの少ない枚数で薔薇らしさを表現する、、、というチャレンジ。
教科書のお手本はサラリと描いてあるように見えますが
いざ描いてみると、花弁の長さや筆の入り・止め、角度など
シンプルなものほどバランスがとても難しいですね。

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顔彩を使う場合は、臙脂や紅梅に墨を少量つけて調色すると
落ち着いた色調の赤になります。

グリーティングカードや和紙のお手紙に描き添えても素敵です。
おためしください。

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2016年09月01日

薔薇の花の描き方

東京千代田教室の今月は、ビルのメンテナンスの関係で8月31日に変更になりました。
早いもので、もう8月が終わります。。。
台風が通過した後とあって、少し風が強めの1日でしたがお天気が良く、
でも、確実に秋が近づいている印象がありました。

今月は、「いろいろな花を描く」の中から「薔薇」の練習をしました。

花弁を描く場合は、まず真ん中から。
墨や顔彩を穂に含ませた場合、一番最初に描き始めた場所が一番濃くなるので
(描き進むにつれて墨色は淡くなっていきます)
言い換えれば、一番濃くしたい場所から描き始めます。
穂には濃淡をつけて、穂先を中心に向けて運筆します。

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薔薇の花は、やはり赤で描くのが薔薇らしく見えますね。

たくさん花弁を描き加える場合は、必ず花芯や花の中心部分は「濃く」しましょう。
そして、花の周りに濃墨の葉を描くと、花が浮き立ちます。

ちょっと崩して描く薔薇は、にじみやすい紙にも合うモチーフだと思います。

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2016年07月22日

正統派朝顔

7月20日の東京千代田教室は「朝顔」でした。
先月は、中国式の洒脱な表現の朝顔でしたが、今月は日本的な正統派表現の書き方です。

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没骨法で描く場合は、穂に水を多く含ませ、水分で滑りを良くして描いてみてください。
力みすぎたり、水分が少なかったりすると、筆が割れてしまって綺麗な花弁が描けません。

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花をたくさん描く時は、横からのアングルのものや蕾も効果的に使いましょう。
テキストのように竹竿を2本描く場合は、長さをアンバランスにしたり、クロスする部分を花でうまく隠すと、全体的な印象は柔らかくなります。


朝顔は、半切や短冊にも無理なく描ける、この季節のオススメ画題です。
暑中見舞いにもいいですね。


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2016年06月20日

東京千代田教室から出品作品

第16回 国際公募 国際墨画会展は本日で無事に閉幕いたしました。
本年度もたくさんの皆様に、無料体験教室で水墨画を楽しんでいただけたようです。

千代田教室出身のWさんは、すでに講師資格を取得され、今回の展覧会では体験教室の講師も担当されました。

<蓮鯉図>
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昨年はキリンの作品が印象的でしたが、今年は琳派を思わせるような流水紋がアクセントになった作品です。
モノトーンのシックな琳派も素敵です。


<菊と蝶>
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Tさんは、千代田教室のU-23枠では3度目の出品です。
抽象的な表現が得意なTさんですが、今回は正統派のモチーフで「U-23大賞」を受賞されました。


来年も自分らしい作風で展覧会にチャレンジしていただきたいと思います。




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posted by MASUI at 16:44| Comment(0) | 東京千代田教室